食事の介助って難しい!姿勢や座り方にコツはあるの?
高齢になって自分で食事をすることが難しくなってきた場合。自宅で食事をするなら、家族が介助をしてあげなくてはいけません。ですが、なかなかうまく食べてもらえないということも多いです。
「こうしてほしい」と伝えてもらえればその通りにできますが、伝えられない人も多いんですよね。介助の仕方によっては、高齢者が食べにくくなってしまったり、むせやすくなってしまったりすることもあるんです。
楽しくしっかり食べてもらうにはどのような介助の仕方がいいのでしょうか。座り方や食べさせ方のコツをご紹介します。
座らせ方のコツ
まず、テーブルと椅子の高さによっても食べやすさは変わってきます。上を向いていたほうが上手く飲み込めるような感じがしますが、実はその逆なんです!少し前かがみになるくらいの方が飲み込みやすいんですよ。
前かがみになると、食道の通路が広がり、嚥下反射が起こりやすくなり、気道が保護されるようになるんです。逆に上を向いていると気管もふさがらないので誤嚥しやすくなってしまうんですね。
ただし、楽な姿勢が飲み込みやすい姿勢だとも言われていますので、前かがみがつらそうな場合は他の姿勢でも構いません。
他にもこんなコツがあります。
- 足は床にしっかり付ける
- ヒザが90度になる高さの椅子を選ぶ
- 腕を乗せたときに90度になるテーブルを選ぶ
椅子やテーブルを買い替えるのは難しいという場合は、台を置いたりお尻にクッションを入れたりして調節してみるのもいいですね。
リクライニング車椅子やベッドの場合、背もたれは45度から60度になるようにしましょう。首が安定するように頭の後ろにクッションを入れましょう。
食べさせ方のコツ
食事の介助をするときは、正面ではなく横に座りましょう。立って行うのもNGです。目線の高さが同じになるようにしましょう。
そしてティースプーン1杯ほどから食べさせましょう。スプーンが大きいと食べにくいです。ティースプーンのような大きさで柄の長いスプーンもありますので、介助するにはこういったものが便利かもしれません。
- 顔が自然に下向きになるように、スプーンは下から出しましょう。先ほどの、誤嚥を防ぐ姿勢を保つためですね。
- スプーンは口の奥まで入れないようにしてください。吐き気をもよおしてしまう場合があります。
- しっかり食べて口の中に何もなくなったのを確認してから次のひと口を上げましょう。口の中に食べ物が残っていると誤嚥しやすいです。
ちょっと時間がかかるので大変かもしれませんが、ゆっくりひと口ずつ食べさせるのがコツなんですね。ひと口ひと口食事を味わってもらいましょう。
テレビなどがついていると集中できませんので、消したほうがよいでしょう。口の中に食べ物があるときに「おいしい?」などと話しかけるのもNGです。
自分で食べられるように
食事の介助というのはあくまで「手助け」です。少しでも自分で出来ることは自分で行ってもらうようにしましょう。
指先を動かすことで脳は活性化されます。認知症の予防や改善にもつながるんです。自分で食事をすれば、手指を動かしますので脳への刺激になるんです。
はじめのひと口は介助をして、その後自分で口に入れてもらいましょう。初めは一口だけでも結構ですが、徐々にできるようにして自分で食べられるようにしていきましょう。自分で食べる場合も、きちんと飲み込んでいるか見守ってあげるようにしてくださいね。
ペースはゆっくりで大丈夫ですので無理をしないようにしていきましょう。
まとめ
食事の介助をするときは、まずは飲み込みやすい姿勢を確保してあげましょう。食べさせるときはティースプーン1杯ずつ、口の中のものがなくなってから次のひと口をあげましょう。
誤嚥しないように介助してあげることは大切ですが、介助はあくまで手助けです。自分で出来ることは自分で行わせるようにしましょう。手指を動かすことは認知症の予防や改善にもつながるんですよ。